愛する子どもがとつぜん不登校に。
何が問題だったの?親としてまちがったことをしていたのだろうか?
お母さんは早く子どもが学校に行けるように、不登校の原因を突き止めようとしてしまいますよね。
子どもがなぜ学校に行きたくないのか聞くと、こんな返答が返ってきませんか?
「わからない」
「寒いから」
「学校がいやだから」
その理由はなんとなく的を得ていなかったり、毎回コロコロ変わったりすると、ますますわからなくなります。
このような場合、根底には”ある不安”があるのです。
私の息子も小学3年生のときに不登校になりました。
「何で学校に行けないの?何がいやなの?」
毎日のように、聞いてしまっていたのです。
けれども、こう考えてみたらどうでしょうか。
ほんとうは苦しいのに”学校を休んだらいけない”とがんばって行きつづけていたら・・・
その方がこの先ずっとずっとわが子を苦しめることになります。
不登校は決して悪いことじゃないんです。
まず、お子さんがお母さんにSOSが出せたことに、安心しましょう。
そして、お子さんが根底に持っている”不安”は、お母さんがその不安をわかってあげることで、解消していくのです。
このブログでは、不登校の原因となる例と、その解決策について、私の体験談をまじえて紹介したいと思います。
目次
1.小学生の不登校の主な原因
小学生に多い、不登校の主な原因をあげます。
多くは”不安なこと”や”心配ごと”がキッカケです。
それを子どもが一人でかかえきれなくなって、「不登校」という形でSOSを出しているのです。
・親と離れたくない
・学校でいやなことがある(いじめ、苦手な授業、担任の先生など)
・なんとなく
・家庭の不和
1-1.親と離れたくない
低学年から中学年の子どもに多く、お母さんがいないことに強い不安を感じます。
お母さんがそばにいると、遊ぶことができたり、いざ学校に行ってしまうとケロっとしているケースもあります。
これは母子分離不安とよばれます。
お母さんを独占したがり、離れることを強く拒みます。
この状態でむりにお母さんと離れさせるのは子どもにかなりのストレスをあたえてしまいます。
<わが家のケース>
小学1年生の1学期中は、毎朝のように登校しぶりがありました。
母と別れるのが不安なようでしたが、この時期ではまだ不登校にはならず、なんとかその場しのぎで毎朝登校できていました。
そのうち、友達もできて学校が楽しいと思えるようになったようで、登校しぶりはなくなりました。(その後3年生で不登校になります。これは後述します)
1-2. 学校でいやなことがある(いじめ、苦手な授業、担任の先生など)
◎人とのつきあい方
いじめまではいかなくても、仲間にうまく入れないなど、友達関係の心配ごとがきっかけになることもあります。
◎授業についていけない
また、学校の授業がむずかしい、運動が苦手で体育をやりたくない、など、まわりについていけなくなると強いストレスを感じます。
◎失敗をおそれる
人前で失敗したくない、自分だけうまくいかなかったらどうしようと不安がつもって学校に行けなくなるケースがあります。
<わが家のケース>
何が不登校の原因なのかを、本人自身がはっきりとわかっていない、というのが当時の状態でした。
ただ、不登校が解決した今、ふりかえってみると最初はささいなことがきっかけになったと思います。
息子は時々ふざけたり調子にのったりすることがあり、先生に怒られることもよくありました。
ですが、ある日、半年前に起こったことをぶり返して怒られたそうです。
先生としては、分かりやすく伝えるために、前に起こったできごとを持ち出したのだと思います。
ですが、本人はすでに解決したものと思っていて、納得がいかなかったのでしょう。
それから数週間して、急に不登校がはじまりました。
息子が不登校になったキッカケは、おそらく大人にとってはとても些細なことなのです。
1-3.なんとなく
◎無気力である。
学校に行く意味をみいだせない、学校にいく必要性をあまり感じていない、など理由はさまざまです。
登校する日もあるが、長つづきしない事が多いようです。
◎燃え尽き症候群
親の期待に応えられるようにがんばりすぎてしまう、がんばり屋さん。
本人が気が付いていなくても「できない」ことに疲れ、「どうしていいかわからない」状態から無気力になることもあります。
手のかからない、いい子なのにと思っていたら、それは自分をおさえこんでいるかもしれません。
1-4.家庭の不和
家庭でのストレスが続き、つみ重なっていくとエネルギー切れを起こし、なんの前ぶれもなく不登校になることもあります。
◎親子関係
親が子どもを心配するあまり、過干渉しすぎている場合、子どもは自分の考えを押し殺すクセがついてしまい、その結果、無気力になる傾向にあります。
逆に、極端に放任しすぎていても、子どもは自分を受け入れてもらうことを知らないため、自信を持つことができず、みずから行動しなくなりやすいです。
◎夫婦、兄弟関係
両親の仲が悪いと、子どもには関係ないと思っていても、子どもは”自分のせいだ”と思いこんでしまう事があります。
また、兄弟間でも幼い妹・弟に親がかかりっきりだったり、一人に大きな期待をかけすぎたりする事が、子どもを苦しめる事につながります。
<わが家のケース>
私は知らず知らずのうちに、先回りして、子どもがスムーズに遊べたり、生活できるようにしてしまいました。
そして、いざ息子が不登校になると、私はできることはなんでもしてあげようと意気込んでしまったのです。
あれこれと先回りをして、学校に行ける道すじを作ろうとしていたことが、実は息子の”自立”をさまたげていたことに、全く気が付きませんでした。
2.原因を突き止めるよりも子どもの本音を感じ取ろう
以上、不登校の原因を上げましたが、”わが子はこのパターン”と一つの原因に当てはめることはむずかしいと思います。
子どもとしては、じっさい何が問題で何がいやなのかはっきりとわかっていないケースが多いからです。
もしくは、目先の問題を排除したところで、良くならないときもあります。
根底にはさまざまな不安があるから、もともとの不安をとりのぞいていかないといけません。
例えば、Aくんのケースで考えてみましょう。
本当はいじめられている
↓
いじめられているだけで学校を休むのはいけないと思っている
↓
おなかがいたいと言えば休めるかも
Aくんはいじめられている事を言ったら、親を心配させてしまうし、気まずくなるんじゃないか、と感じているかもしれないですね。
お母さんが原因をさぐりたい気持ちは、とてもよくわかります。
けれども、あれこれ原因探しされると、本音を言えないAくんに余計なストレスを与えてしまいます。
「そっか今日は学校に行きたくないんだね。なにか心配なことがあるのかもしれないんだね。」
このようにAくんがお母さんに本当にしてもらいたかったことは、今、感じている不安を感じとってもらうこと。ではないでしょうか。
Aくんの根底にある不安は、いじめの他に、親にきらわれたらどうしよういう不安も入りまじっています。
不登校の子供が、他にどんな不安をもっているのか、以下にあげてみます。
◎親からのプレッシャー
このまま学校に行けなかったら、親に見捨てられてしまうのではないかという不安。
◎友達となじめない
友達にきらわれないか、仲間はずれにされないかという不安。
◎勉強についていけない
勉強がむずかしくてついていけない。急に学校に行っても、授業がわからなかったらどうしようという不安。
◎将来が心配
学校にいけない自分が将来、社会にでていけるのだろうかという不安。
<わが家のケース>
息子に、なにが心配なのかをたずねても、わからない、としか答えられず、そのうち答えることに疲れたのか、自分で答えを決めつけてしまいました。
なにを聞いても「ママがいないと不安だから」というだけでした。
子ども自身も自分が学校に行けない理由をなぜ言えないのか、わからず悩んでいたのだと思います。
ただただ、自分がかかえている不安をお母さんにわかってほしいのだと思います。
不登校の原因をあれこれ考えるよりも、子どもを無条件に受け入れて、その不安を分かってあげることが大切なのではないかと思います。
3.解決策
3-1.「休んでいいよ」が前提で話を聞く
「なんで行けないの?」と聞いても、本音が聞けることは少ないです。
すぐにでも解決したい気もちをちょっと抑えて、子どもが落ちつく場所と時間に話をしてみましょう。
うまく話を切り出せないときは、子どもが興味を持ったことを一緒にやってみたりするのもいいですね。
好きなアニメやキャラクターにお母さんも興味を持ってみましょう。
一緒に詳しくなると会話も増え、外の世界とつながるきっかけにもなります。
3-2.休むことを不安にしない
休むこと=悪いことではないと考えてください。
休ませることで、まず学校に行けない子どもを認めてあげられます。
学校に行かせることがゴールじゃなくて、どんな形であれ人とのかかわりがもてる環境を作ろうと考えましょう。
たとえば、学習塾・習いごと、フリースクール、不登校を支援する適応教室などです。
ここで、注意したいのが、学校の先生や第三者が自宅に来ることです。
子どもがのぞまないなら避けた方がよいでしょう。
自宅や自分の部屋というの子どもが一番安心できる場所です。その居場所をうしなってしまう恐れがあります。
3-3.”大切に思っている”ことをもう一度伝えてみる
十分愛情をもって今日まで育ててきていると思いますが、もう一度言葉にして子どもに伝えてみましょう。
「いつでもお母さんは○○の味方だよ」
もし子どもが自分に自信をなくしていたり、学校に行けないことに罪悪感を感じていても、この言葉ですごく救われるはずです。
また、子どもが親から大切にされているという感情をうけとめるには、家庭の環境をよくしていく必要もあります。
いつも夫婦ゲンカがたえなかったり、兄弟トラブルがあったりしては自分に注目してもらえる機会がすくないですよね。
当てはまると思ったら、まずはそこから改善していきましょう。
3-4. 大人にも休息の時間を
子どもが不登校になっているのは、心の休息が必要なしるしでもあります。
今日まで、お母さんは自分のことをかえりみず、子どものために全身全霊でがんばってこられたと思います。
そして今もがんばって前に進もうと努力していると思いますが、いったん子どもとゆっくり今までの事を思いかえすのもいいと思います。
ふと冷静に考えて、子どもとの接し方をかえてみるだけで気づくことがあるかもしれません。
以下で、私が不登校の息子にたいして、180℃考えが変わったことをお話します。
<わが家のケース>
私は過干渉になっている自分に気づくのに1年近くかかりました。
先生やスクールカウンセラーに何度も相談をしました。
共働きで、さらに夫が単身赴任の忙しい家庭と思われていたのか、毎回かけられる言葉は、
もっと子どもに愛情をかけて。
もっと会話をふやして。
もっともっと・・・。
と追いつめられるような言葉ばかりでした。
誰よりも息子をかわいがり、会話もたくさんしているのに…。
まだ足りないんだ、とますます手塩にかけて学校に行けるように仕事を休んでまでつき添っていました。
しかし、当然仕事に支障がでてきて、しまいには私の心もボロボロになってしまいました。
そんなある日、こんな一言で目が覚めました。
「学校行きたくないと言えばお母さんがやさしくしてくれる。と子どもは思っていませんか?」
ここで私が気づいたことは、
不登校が長引くにつれて、私は息子を"かわいそうな子"という色めがねでみていたこと。
私がついていなきゃ、息子はだめになってしまう。と思い込んでいたこと。
そこで私は考え方を変えてみました。
登校できない日があるのと、登校できそうな日があるのも全部息子そのものなのです。
怒ることもせず、どんなときも息子を受け入れました。
そして、学校に行けた日は抱きしめて「よくがんばったね!」と言いました。
それを何回かくりかえしただけで、ふしぎなくらい息子は変わって一人で登校できるようになったのです!
4.まとめ
不登校を、どうしても親は否定的にとらえてしまいます。
また、他人の目や世間体が気になったり、人からわが子の不登校に関して批判や非難を受けたりすると、本当につらいと思います。
けれども、わが子が不登校になったことを、なげき悲しむのではなく、勇気ある行動だととらえてもいいのではないかと思います。
子どもは耐えがたいつらくて居づらい場所から”ひなん”してきているのです。
”ひなん”してきた子どもは、弱虫でも、ダメな子でもなく、自分で生きる道を見いだしてきた子なのです。
そんな子どもを誇りに思ってあげましょう。
お子さんの良いところ、素晴らしいところをたくさん見つけて、そこに目を向けていってください。
そして、いつでもお子さんがあなたの大切な宝物であるということを伝え続けて下さい。
できるようになったことをたくさん褒めてあげてください。
お子さんに自信がついてきたら、少しずつ一人でできることを増やしていきましょう。
そうすればきっと自分から登校しようという気もちに変わっていくと思います。
いつか「あの時、お母さん味方になってくれて、ありがとう」って思ってくれたらうれしいですね。